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February 07, 2005

カラヤンのアダージョ

adajo 今日は午後いっぱい、芝浦へ。北陸地方の某大学のブランディング案件に取り組む。会社のブログでも最近は教育関連の話題が噴出。先日の日経も「大学全入時代」をテーマにしていたし、これからこのテーマが大事そう。
 とまあ、仕事モードは一休み。車の中でまたまたCDを聴く。今日持ち込んだのはベストセラーにもなった「カラヤンのアダージョ」。カラヤンと言えばフルトベングラー亡き後のベルリン、ウィーンに君臨し、コンサートオーケストラもオペラハウスも支配下に置いた大指揮者。しかし先人たちに比べるとミステリアスな魅力に欠けたのか、商業主義とかツクリモノ呼ばわりされることが多い。確かにその音楽を聴くと、批判をしたくなる気も分かるようなピカピカでカチカチの完成度だ。あまり人間らしい息遣いが聞こえるような音作りではない。録音も彼は比較的デッドな、残響の多くないものを好んだようで、カラヤンがグラモフォンに残した演奏はホールの音を除いたオーケストラの音そのもの、のような趣きがある。それがまた、先のような批判を招いたのだろうな。
 この「カラヤンのアダージョ」はその名のとおり、古典からロマン派を中心に緩徐楽曲&楽章を11曲集めたもの。演奏はすべてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団だ。肝心の演奏はどれも素晴らしいのだが、正直に言うと、最初の「アダージェット(マーラー)」と最後の「悲しきワルツ(シベリウス)」が出色だ。その途中の9曲は、まあ埋草のようなもの。他によい演奏はいくらでもある。マーラーの方はヴィスコンティの映画『ヴェニスに死す』で使われ有名な楽曲。交響曲第5番ハ短調の第4楽章である。映画向きの楽曲という点と、カラヤンの特性が響き合い、単独の曲のような魅力を放つ。シンフォニーの中においてはクールダウン或いは一呼吸置くような機能を与えられている緩徐楽章が実にドラマティックに響く。これはやはりカラヤンならではの美観だ。90年代前半テレビや広告におけるマーラーブームもあった。ヴィスコンティはその先鞭を付けたわけだ。そういえば、数年前テレビ番組でこんな描写があった。スマップの中居君演じる余命の限られた医者が瀟洒な自宅マンションで(しかもオーディオはB&O・笑)毎日このアダージェットを聴いているという図。あまりの選曲センスの悪さに愕然とした思い出がある。アダージェットは生に恋々とし、生に執着する人の音楽だ。生への諦観を感じさせる音楽ではない。マーラーの緩徐楽章では、交響曲第3番の第6楽章、このアダージェット、更に交響曲第9番の終楽章、そして交響曲第10番の第1楽章が有名。中居君が聴くべきは、おそらく第9番の終楽章だったろう。何なら僕が音楽監督してあげたのに。
 このアルバムの最後の曲、シベリウスの「悲しきワルツ」は「アダージェット」以上の名演奏だ。カラヤンの音作りとベルリンフィルの巧さが最高の形で結実している。特にツェラーのフルートとライスターのクラリネットが弦楽セクションと奏でるアンサンブルは完璧。シベリウスの音楽の適度な叙情性とカラヤンの音楽とはとても相性がよい。なーんて、最近音楽熱が再燃しちゃってるumiでした。

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