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April 10, 2005

桜の森の満開の下

sakura 明日から雨らしい。いつも思うのですが、花の命は本当に短い。麻布十番のご近所さん、GAKU☆さんが網代公園の桜の写真を送ってくれた。ありがと、GAKU☆さん。青山神宮前ご近所会のえぐち会長も、8日早朝男性二人で青山墓地の桜並木を歩いたらしい。(笑)
 僕はというと、このところお花見ということをしていない。何故だか分からないけど、しない。網代公園のわずか2本の桜をベンチに座って見るくらい。この時期に都内をクルマで走れば、日比谷公園から芝公園と桜の名所には事欠かず、路上駐車がたくさんいて危ないことこの上ない。僕が都内で一番好きな桜の名所は、中野の哲学堂公園だ。狭い公園なのだが、桜がひしめいていて、密度がすごく濃い。そして、不思議なことに哲学堂の桜はあまり風に吹かれてどこかに散っていかないのか、桜の木の下に桜の花びらで絨毯ができるのだ。見上げれば、桜の花。見下ろせば桜の絨毯。天地上下が分からないような不思議な空間がこの一時だけ出現する。ずーっとそこにいたらちょっとおかしくなりそうな、そんな危険な気さえするが美しい場所。
 桜に狂気を重ねて見ると言えば、坂口安吾の「桜の森の満開の下」 (講談社文芸文庫)
だ。これもまた日本なるものの核を射抜いている。(ように僕は思う。)例によって、それが何なのか、まだ言葉を持たない僕なのだけれど。桜は恨みを浄化する花だとも言う。だから墓地には桜なのだ。西行が桜を植えて回り、今の吉野の美観ができあがったのだ、とも聞く。先日、テレビで日本の桜が世界友好の架け橋に、というような番組を観た。確かにワシントンDCの桜は日米の架け橋になっている。どこの局だったかは定かではないが「韓国や中国にもっと桜を」というようなメッセージにも聞こえた。恨みの浄化を桜に委ねるなんて、あまりにも日本的だが。粋だと思うけど、国際社会に通用する言語なのかな。(笑)
 安藤忠雄氏も大阪に桜の回廊を作るプロジェクトを発表したようだ。桜を見て元気になろう大阪、ということらしい。さて坂口安吾はどう言うだろう?しかしこの『桜の森の満開の下』は実に美しい物語だ。これほど情景が心に見えてくる物語も少ない。石井真木さんがこの物語に音楽を付けて舞台作品を作っていたこと、改めて知りました。どんな作品だったのだろう。聴いてみたい、観てみたい。

●桜のフォトはGAKU☆さん作。ありがと。

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Comments

写、使っていただき光栄です。
ボクも”桜バカ”じゃ決してないのですが、
見た目で日本人が春を感じるのに
一番わかりやすく、且つにっこりできるのは
”桜”かなということで、毎年この時期は
撮るようにしています(ま、もちろん桜嫌いの方も
いらっしゃるでしょうが...)。
でも使い回しじゃなくて、毎年撮ることが大事とも
思っています。
やはり空気感が違う気がしますし。。。
桜は日本人そのものかもしれませんね。

それと、哲学堂!と聞いてボクが思い出すのは、
悲しいかな鶯谷のラーメン屋です。
あっさりしてて、結構美味いんです。。。(^_^;)
http://www.taitoku-town.com/do/001/002/

今日は桜の花びらのシャワーをいたるところで浴びました。
また気を引き締めてがんばらなきゃ(^_-)

Posted by: GAKU☆ | April 11, 2005 at 04:19 AM

うーん。いろいろ桜について書いている人がいますね。
大和心の曲解であり、国威発揚のための洗脳だ!などと
述べられている意見もこちらにありました。
本当の桜花は山桜であり、ソメイヨシノじゃない、
というのがその趣旨みたい。
一応、備忘録ということでリンクを貼っておきます。
http://www.ne.jp/asahi/stoned.head/sh-home/kakod/mar104.html#130304d

Posted by: umi | April 11, 2005 at 05:25 PM

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今年は桜が短かったなあ。 私はホントに桜の花が咲くと心が躍るのでありますが、昨年の長持ちに比べるとまあ今年のあっけなかったこと。 まさに、花の命は短いのであります。 さて、友人と満開の青山墓地を通ったのでありますが、もう墓の前の通路のみならず、人の家...... [Read More]

Tracked on April 13, 2005 at 11:54 AM

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