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November 02, 2006

白川静先生、ご逝去

先月半ばには体調を崩されて入院されたと聞いた。
10月30日永眠。昨日の新聞で知る。
享年96歳。大往生だと思う。
我国の否、東アジア全土における漢字研究の第一人者。
『字統』
『字訓』
『字通』の各書は将来に渡って
この国の知的資産の中で最高の部類を占めるだろう。
最後に「文字講話」を拝聴できたのは、2003年10月12日。
場所は国立京都国際会館だった。
93歳の先生の講話。何しろ面白いのだ。

「なぜ日本には文字が生まれなかったのか」
「文字はどのようにして生まれてきたのか」

先生の講話で最も興奮を掻き立てたのがこの問いだった。
曰く「日本には神聖なる領域と交感できる王が生まれなかった」
そして漢字は「その全体系がほぼ同時に生まれた」こと。
この信じられない奇跡は「王」によって為されたということ。
本当に膨大な漢字が一度に一人の手によって構築されたのだろうか。
しかしそんなことに思いを馳せることができるのも、
白川先生の仕事が今ここに存在するからである。
深い感謝とともに、先生のご冥福を心からお祈りしたい。

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Comments

すごく興味があります! 白川先生の講和聞きたかった。海野さんはこの本をお持ちなのでしょうか。もしお持ちなら見せていただいてもよろしいでしょうか? 内容は難しいのかな。

今 常に持ち歩いているのが「美しい日本語の辞典」。美しい言葉を見つけてはマーカー引いている毎日。日本の外ばかりに目を向けてきたし、海外から日本を見るとどう見えるのだろうという視点でしか日本を眺めていなかったように思います。外国語を学ぶような視点で日本語を見ると色々発見があって面白い。もっとも研究過程で日本語が重要な要素であるという背景もあったのですが(笑)。
密かなマイブーム。 キーワードは日本です。

Posted by: simone | November 03, 2006 at 01:03 PM

私も新聞で知りました。
でも恥ずかしながら、未だ著書は読んだことが無いのです。
暇をもてあましていた学生時代に、何故読み漁っておかなかったのか。
後悔先に立たず。
しかし文字というものは素晴らしいですね。
人が去った後も想いは読み継がれていく…。
これから読もう。

Posted by: melissa | November 04, 2006 at 12:22 AM

simoneさん、meliちゃん、こんにちは。
白川静先生の著作、実に面白いです。
上で挙げた本は物凄く厚くて難しいので、
『常用字解』(平凡社¥2,800)と
『漢字百話』(中央公論社)が軽くていいと思います。
後者は文庫にもなっていて安くていい。(笑)
『常用字解』はまあ由来辞書の趣。
ぼんやりと旅の途中に読むのが乙。(笑)

Posted by: umi | November 04, 2006 at 11:30 AM

白川先生 まとめて読んだのは『私の履歴書』でした(^^; でもちらちらと何かの折に聞く話、読んだ文章は、ものすごく魅力的、神話的なものでした。 
ビル・モイヤーズと、ジョーゼフキャンベルの『神話の力』を見た時もそうだったけど、これは本物!という直感!! 

それから日本語といえば、この休み、大坂の文楽劇場行ってきました。ここで語られる近松は良かった~ 
マイクなしで劇場一杯に浄瑠璃を響かせる太夫のすごさにもビックリ!

Posted by: いちばや | November 06, 2006 at 10:43 PM

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